こんにちは!マサユキです。
今回は持ち家を売却した時に必要となる仲介手数料について書いてみたいと思います。
仲介手数料は持ち家を売却した時に必要となる経費のうちで、もっとも高額になる可能性が高いものなので、これをうまく利用すると有利に不動産取引ができます。
仲介手数料とは
仲介手数料とは取引が成立した時に不動産会社に支払う報酬のようなものです。かつてはかなり高額な手数料を要求してくる悪徳業者もいたようですが、最近そのような業者はほとんどいないと思います。
この仲介手数料は法律で上限が決まっています。またその上限金額は取引の売買代金に応じて変わります。
以下の表を参考にしてください。
なんだか複雑そうですが、400万円以上で売却するのであれば、3.24%+64800円(消費税8%込)で計算すると良いです。
仮に売買価格が3000万円の取引なら、仲介手数料は103万円ちょっとという事になり、かなりの高額に感じるのではないかと思います。
仲介手数料は値引きできる?
先ほど仲介手数料には法律で上限が決まっていると書きました。これ以上の手数料を取ってはならないという決まりですので、これよりも低い仲介手数料になるように交渉する事は可能です。
但し安くなるならと何でもかんでも値下げ交渉すれば良いというものでもありません。
というのも不動産仲介業者にとっては、この仲介手数料だけが収入源であり、これを取れないと彼らの取り分はありません。
また仲介手数料は売買が成立して引き渡し決済の時に一緒に清算するのが普通で、取引が完全に完了しないと取れるものではありません。
不動産取引は金額が大きいという事もあり、買主と売主の金額の折り合いがつかなかったり、瑕疵担保の責任の所在で揉めたり、買主の融資が不調に終わったり、買主側の仲介だと他が仲介している買主に物件をさらわれたりと様々な要因で契約に至らないケースも多く、仮に契約していたとしても、その後問題が出て白紙撤回されることもあります。
こうなると仲介業者には1円も入ってこず、彼らは完全にタダ働きの徒労に終わってしまいます。
あなたが持ち家を売却した時に、すんなりと事が運んであっさり引き渡し決済まで進むと、決済時に請求される仲介手数料が異様に高く感じられるかもしれません。
しかし不動産仲介業者にすれば、今回の取引の裏にはまったくお金にならなかった数多くの取引が存在しているかもしれません。その辺はすこし考慮するべきかと思います。
そうは言っても高い経費になりますから、安くできるのであれば安く仕上げたいと考えるのは当然ですよね。
私のように不動産賃貸業として今後もその不動産会社と付き合いをしていくなら、値下げ要求などしない方が良い(ケチな人と思われると良い物件を紹介してもらえなくなります)のですが、持ち家の売却というケースなら不動産業者との関わりも今回のみという事になると思いますので、狙えるタイミングで値下げを狙ってみても良いと思います。
仲介手数料を値下げできるケースとテクニック
それでは仲介手数料を値下げ交渉できるケースとそのテクニックをご紹介したいと思います。
まず基本的な事から書きますが、ただ「下げてくれ」と言うのは止めておきましょう
漠然と「仲介手数料を少し安くしてもらえないでしょうか」などというと「社内規定の決まりなので」などと押し切られる可能性が非常に高く、また最初にこのような話を持ちかけると不動産仲介業者のやる気を著しく損ねてしまい、売主を探してくれなくなりますので、お勧めしません。
また値下げが出来るのは中小の不動産会社で、大手の不動産仲介業者は社内での規則などで値下げを不可としているところが多く、このような業者は基本的に値下げできないです。
このような不動産仲介業者は媒介契約を結ぶときに、「売買価格の3%+6万円(+消費税)の手数料を払います」と誓約書的なものを書かされるケースも多いです。
仲介手数料は仲介業者の裁量という認識
一方で個人経営に近い中小規模の不動産仲介業者にとって、仲介手数料はいわば自分の裁量で出すことのできるお金みたいなもので、そこを考慮すると実質的な値引きが可能になります。
例えばあなたが持ち家を3000万円で売却したいと考えて、不動産仲介業者にお願いしていたとします。
そこへ「2900万円なら買うよ」という買い付けオファーがあったとしましょう。100万円の指値を入れてきています。
もしあなたが2900万円なら売却額の想定範囲内であるなら、OKを出して取引成立となるのですが、急いで売りたいわけではないのであれば、ここでわざと渋ってみせて、「もう少し待ちましょう」とか「う~ん、微妙な金額ですね~」ぐらいのあいまいな表現でちょっと態度を保留します。
仮にあなたが一般媒介契約を結んでおり、「他方で満額買い付けが入るかも知れないので、もう少し待ちたいと思います」ぐらいの態度をとっていると、差額の100万円を彼らの仲介手数料で補填して取引を進めてくる事があります。
3000万円なら仲介手数料は100万円ちょっとあります。もし不動産仲介業者が両手取引をしていたら、双方から100万円ずつもらえる計算なので、どうしても取引を成立させたいなら、仲介手数料のうち100万円をあきらめて、2900万円で取引成立させることも出来なくはない訳です。
売主は払うべき仲介手数料100万円を払わないことで、実質上3000万円で売れたことになり、買主は2900万円で買えたことになりお互いハッピーです。
不動産仲介業者も先ほど書いたように取引が成立してナンボの世界なので、あまり欲をかかずにこのように落としどころをうまく付けるために仲介手数料という自社でコントロールできるものを使って対応してくるという事は良くあることです。
ちなみにさすがに2900万円の指値が入っているときに、最初からそのまま仲介手数料で補填するという事はしてこないと思います。
「2950万円ではいかがでしょうか?」と双方に持ちかけ、いずれかが同意してくれれば、同意しなかった方の仲介手数料を50万円値引きして補填するという風になんとかちょっとでも多く手数料を取れるように画策するのが仲介業者というものでしょう。
他には、買主側が「ここが傷んでいるので直してほしい」という要求をしてきたとしましょう。
売主にとってはもう売却する不動産なので、それにお金を掛けたくありません。
修理費が20万円で片手取引だとするとそれぞれの仲介業者が話し合い、10万円ずつ仲介手数料を値引きしてその修理を業者が肩代わりするという事もありえます。
同様の話は賃貸の広告費と同じ事がいえる
話は少し変わりますが、賃貸募集する時に入居者が決まったら賃貸仲介業者に払う広告費と呼ばれる報酬も同じような性質があります。
例えば広告費を家賃の3ヶ月分出すと設定して入居付けをお願いしていると、仲介業者はその3ヶ月分の広告費のうち1ヶ月を入居者が本来払うべき仲介手数料充てて、入居者の初期費用負担を軽減する事で入居しやすいように工夫するというような事をする業者もいます。
こうすると入居者からは家賃1ヶ月相当の仲介手数料は得られませんが、結果的に合計で家賃3ヶ月分が自分の懐には入ってくるので、他社に入居される前に自分で決めてしまおうと考えての行動ですね。
不動産業者の人も千差万別なので絶対とは言えませんが、出来る不動産仲介業者は成約することを第一に考えて行動しているため、まずは妥結に向けて説得を試みて、どうしても双方が譲らない部分で金銭的な解決が可能であるならば、多少の手数料の取り崩しをしてでもうまく交渉をまとめてきます。
大きく構えて隙を見せない
このような交渉の裏側を把握して、持ち家を売りたいと考えている売主として大切な心構えは何でしょうか。
私は「余裕をもって構える」という事ではないかと思います。
「高く売れれば良いし、売れなくても別に困らない」というスタンスで交渉に臨み、自分が納得できない要求はもちろん、心の中では許容できそうなレベルの要求でもちょっと勿体ぶる(腰を使うなどと言いますね)。
そのうえで仲介業者に「うまくまとめて下さいよ」と穏やかに追い込みをかけてあげれば、相手の方から「仲介手数料を値引きして対応させてもらいますが、それで良いですよね」と提案してくることも十分に考えられます。
「そうしてもらえれば、私はありがたいですが、御社は大丈夫ですか?」と一応の社交辞令を返しておきながら、実利はシッカリとれば良いと思います。
いかがでしょうか。仲介手数料の裁量権は仲介業者が握っていますが、元々はあなたが仲介業者に払うものです。これをうまく活用できるかどうかもあなた次第です。参考にして頂ければと思います。