こんにちは!マサユキです。
持ち家を売却したいと考えた時、売却する相手は「一般ユーザー」なのか「投資家」(不動産賃貸業者)なのかでずいぶんとやり方が異なります。この辺については解説したいと思います。
一般ユーザーとは
一般ユーザーとは、いわば普通のサラリーマンをしているような人です。こういう人に売却する場合は、買った人はそこに住む前提で購入する事になります。このような売却を実需向け売却と言います。
そしてこのような買主を不動産業界では「エンドのお客さん」などと言われます。
不動産は転売する事もよくありますが、実際にそこに住む前提で買うという事は、少なくともしばらくは誰にも売却しない訳ですから、「エンド」という表現になる訳ですね。
持ち家は投資の対象
投資家(不動産賃貸業者)に売却する場合、持ち家は投資の対象となります。
彼らはあなたから持ち家を買ってからどうするのでしょうか?それを知っておけば、彼らに高く売れるという事になります。主に以下の2通りです。
・賃貸用として貸し出して家賃収入(インカムゲイン)を得る。
・実需向けもしくは他の投資家へ転売し譲渡益(キャピタルゲイン)を得る。
まずはこの行動目標を持っていると言う事を頭に入れて、先を読んで下さいね。さて、それではそれぞれに向けた売却を考えてみましょう。
一般ユーザーに売却する場合
一般ユーザーに売却しようとする場合は、彼らが実際に住むわけなので、彼らがそこで生活する事をイメージできる事が重要ではないかと思います。
例えば日常品の買い物はどこでするのが便利なのか、小学校はどの学区に入っているのか、病院の位置、閑静であるならそれをアピールするなど。
それまではあなたが実際に住んでいた場所なので、その経験も使ってこれらの情報をしっかりと不動産仲介会社に説明しておくようにしておきましょう。
また当然ですが、賃貸としては誰かに貸している状態ではないことが必須です。「今は賃貸で誰かに貸しているけど、すぐに追い出す」という考えは危険です。
借地借家法により入居者は保護されているので、よほどの過失がない限りすぐに入居者を退去させるという事はできません。
一般ユーザーに売却しようとするなら、必ず空き家の状態で行動を開始するようにしてください。
投資家(不動産賃貸業者)に売却する場合
投資家に売却する場合は、実際に彼らが住むわけではないので、見方が変わってきます。
彼らはその資産価値をメインにみてきます。
固定資産評価額、土地の所在地(路線価の評価額など)、建物の構造、築年数などをチェックします。彼らはいずれまた売却することを視野に入れて物件を見てきますので、これらの指標が大事になります。
自分の持ち家の評価を確認してみてはいかがでしょうか(関連ページ:不動産の評価法の1つ 積算法を詳しく解説)。
土地が広い物件だと場合によっては建物を取り壊してアパートなどを新築する事も視野に入れてくるかもしれません。
一般ユーザーだと無駄に広い土地というのは必ずしも歓迎されませんが、相手が投資家や不動産賃貸業者ならアピールできるポイントになります。
またこのケースでは、誰かに賃貸しているというのはプラスになります。
購入後しばらくはインカムゲインを稼ぎ、タイミングをみて売却するという事を考える投資家も多いので、最初から入居者が確保されている状態であれば、遠方の投資家も購入に参画してくる可能性もあります。
一般ユーザーに売却するメリット・デメリット
一般ユーザーに売却する場合のメリットとしては、価格が安定しているという点があります。不動産業者の査定額並みで募集しておけば、それなりに早期に売却できる可能性が高いです。
そのためにも多くの業者から査定を受けておく方が良いのは言うまでもありません(オススメの不動産一括査定サイト)。
また彼らは 住宅ローンを組んで購入する事になりますが、一般ユーザーの住宅ローンは融資承認が得やすいので、融資が組めずに契約が流れるというリスクが小さいです。
但しデメリットとしては、投資家であれば不動産投資ブームの時などは高値で売れる事もありますが、一般ユーザー相手ではそれは見込みにくいという事です。
逆に不動産が冷えこんでいる(ここ最近では2008年のリーマンショック)時の下落にはそれなりの影響を受けます。
また空き家にしておく必要があるので、賃貸としてインカムゲインを稼ぎながら売却先を探すという事が出来なくなります。
投資家(不動産賃貸業者)に売却するメリット・デメリット
投資家や不動産賃貸業者に売却するメリットとして、想定外の高値で売れる可能性があるという事があります。
もちろん必ず高値で売れると言うわけではありませんが、例えば賃貸として貸してインカムゲインを稼ぎながら無理目な高値で売りに出しておくという事も考えられます。
「売れればラッキー、売れなくてもインカムゲインがあるからそれでも良い」ぐらいの感覚ですね。
2018年8月現在、不動産投資は厳しい局面に差し掛かってきていますので、今後は高値で売れる可能性はしばらく厳しいかもしれませんが、不動産の市況にも景気と同じような波があるので、いずれはまた高く売れる時期が来る可能性も大いにあると思います。
但しデメリットとして、不動産業者は海千山千の強者もたくさんいるので、交渉でうまく丸め込まれて思わぬ安値で売ってしまうという事もあり得ます。
売却した売主が「損したかも」という気すら起こさせずに、うまく安く購入する交渉を仕掛けてくることも考えられるので、その点は注意しておく方が良いと思います。
いずれを想定して売却を準備するか
それでは一般ユーザーと投資家のどちらを対象にして売却したら良いのでしょうか。
これの売却方針を決めるためには、現在の持ち家の価値を把握しておく必要があると思います。
一括査定サイトを活用してまずは持ち家の価値を把握してみてください(関連記事:オススメの不動産一括査定サイト)。
その結果得られた査定の金額に満足いくようなら、一般向けユーザーを対象にして、その査定をしてくれた不動産賃貸業者に売却を依頼すれば良いと思います。
その金額ではちょっと…という場合には、不動産投資家向けに、希望する金額で売れないかを不動産賃貸業者に相談すれば良いと思います。
但しこの場合は無理目な金額設定になっていると思いますので、安値を打診されても「もし売れれば、と言うぐらいの感覚なので、しばらく時間がかかっても良い」という事を伝えておけば良いと思います。
同時に賃貸での活用を視野に入れて入居者を探してもらうという活動も同時に行いましょう。
いかがでしょうか。どうせなら持ち家は高く売却したいと考えるのが当然ですが、誰に売却することを想定しているかで作戦はずいぶん変わってきます。
大きな金額になりますので、しっかり作戦を立てて高値売却を目指しましょう!