こんにちは!マサユキです。
今回はあなたの持ち家がどのぐらいなのかを知る方法の1つである「積算法」について書いてみたいと思います。
積算法で土地と建物をそれぞれ評価する。
不動産さんの価値を評価するには、1つに市町村が行い発行する「固定資産評価」があります。そしてもう1つ有名な評価方法として「積算法」があります。
路線価という土地の評価指標から土地の価格を計算し、現在の築年数と再建築価格から建物の評価を出してその合計が積算法における現在の持ち家の価値となります。
計算方法はこちらに詳しく解説しています
原価法と収益還元法
積算法は原価法と呼ばれるもので、先ほど書いたように持ち家の現在の状況を費用から原価計算したら幾らになるかという考えで評価しています。
一方で収益還元法という評価方法もあります。
こちらは読んで字のごとく「収益性」に着目した評価方法で、現在の持ち家が家賃いくらで賃貸として貸し出すことが出来るから、どのぐらいの収益をもたらすのかという収益性を計算式に当てはめて評価します。
これらの評価法はなぜ必要なのか
不動産は唯一無二のものです。あなたの持ち家と全く同じ不動産は世界に1つとしてありません。同じように建設されていても立地が異なり、築年数もぴったり同じという事はないでしょう。
それだけに何らかの指標を基にした評価基準がないと物件の評価のしようがありません。
唯一無二の不動産さんに普遍的な評価価値を定める、これらの評価指標はあるのだと思います。
不動産の評価は何につかうの?
積算法などの評価法があるのはわかりましたが、これらで評価したところでこれらは何に使われるのでしょうか?
評価額の金額で不動産が売却できる訳ではありません。
不動産には決まった価格というものがついていませんし、一般の方は滅多に売買されるものではありません。
それだけに時々とんでもない値段の不動産が出てきたりするのですが…。
不動産は「この値段で買いたい」という買主に対して「その値段なら売ってもよい」と売主が判断したら売買が成立する世界です。
評価で値段が決まる訳ではなく、需給(欲しい人と供給するする人のバランス)で成り立っています。
前置きが長くなりましたが、積算法などの評価は銀行が査定する時に使います。
買主と売主はお互いが納得すれば取引成立ですが、不動産は高額なのでたいてい銀行の融資を利用します。
銀行としては、その不動産にその金額を融資するだけの価値があるのかを客観的に評価しないと担保価値が分かりません。
その点を買主同じ目線では見ない訳で、一般的な評価方法として浸透している積算法や収益還元法を利用しているというわけです。
そして銀行によって積算法を重視する銀行もあれば、収益還元法を重視する銀行もあります。
持ち家の場合は、アパートなどと異なり賃貸などの営利目的というよりは、実需として売買する対象とみなされがちなので、積算法がより重要な評価法になります。
もしあなたが持ち家を売却したいとして買主に魅力的な価格を提供しているとしても、現金で家を買う人は非常に少ないので、銀行が融資をしてくれなかったら家を売却することは出来ません。
逆に融資がつくなら(大げさに書けば)幾らでも買うという人(収益性の話ではありますが)がいるのも事実ですから、銀行が評価している積算法の価格は無視できません。
「自分の持ち家にいくらの融資がつくのか?」もし持ち家を売却しようと考えているなら、この事を意識しておくべきことだと思います。
積算法の算出方法
積算法は土地と建物をわけて評価します。
土地の評価方法
土地は路線価という国税庁が発表している道路の評価価格をもとに不動産が接している道路の値段で評価をします。
接道2m以上の道路で評価します。接道距離が2mないとそれは接道しているとは言えませんので注意が必要です。
このサイトにアクセスして自分の持ち家が接する道路の路線価を調べてみてはいかがでしょうか?
(国税庁のサイトです)
土地の積算評価は、路線価×土地面積で算出する事が出来ます。
仮に路線価が120,000円で土地面積が90㎡だとすると、120,000×90=1080万円という事になります。
路線価は毎年変化しますが、それほど大きく変化することはありません。熊本の地震により評価が見直しされたと書かれていますし、新幹線の駅が近くに来ることが発表されたりすると大きく変わるのかもしれませんが、そのような大きな変化がない限り大きく土地の値段は変わらないものですからね。
よって土地の積算評価額はそれほど変動せず、銀行の融資審査の時も現在の評価額を融資期間の全期間に適用するのが一般的です。
建築物の評価方法
建物は、法定の「耐用年数の残り年数の割合」と建物の「構造から決められている再建築単価」と「建物の床面積」を掛けて算出します。ややこしいので、かみ砕いて説明しますね。
建物の耐用年数は以下のように決まっています。
鉄筋コンクリート(RC)造:47年
重要鉄骨造:34年
軽量鉄骨造:27年(ものによっては19年)
木造:22年
この数値をもとに現在の築年数から残存年数を計算します。
例えば築15年の重量鉄骨造ですと、34-15=19年が耐用年数の残り年数という事になります。
築年数が耐用年数を超えてしまっていると、積算法において建物の価値はゼロとなります。そう考えると木造の寿命は短く、銀行の評価は自然と低くなりがちになります。
再建築単価とはその建物をもう一度建築すると仮定した場合に必要な平米あたりの単価のことで、以下の数値が使われます。
鉄筋コンクリート(RC)造:200,000円
重要鉄骨造:170,000円(180,000円とするところもあります)
軽量鉄骨造、木造:140,000円(150,000円とするところもあります)
先ほどの築15年の重量鉄骨造の建物の床面積(建築面積ではない)が120㎡だとすると、耐用年数の残り年数は19年なので、建物の価値は以下の式になります。
19/34×17万円×120=1140万円
先ほどの土地の例を使ってまとめると、
路線価120,000円に接道した90㎡の土地に築19年の重量鉄骨造の家(床面積120㎡)の積算評価は、
土地:1080万円+建物1140万円=2220万円
という事になります。
収益物件ですと、この数値に7割ぐらい掛け目を入れて評価されますが、実需で住宅ローンを組む場合は、そこまでシビアに評価されないと思います。
ちなみに借地ですと、路線価に30~90%の掛け目を入れて評価します。
30%なのか90%なのかは、道路によって異なり、それも路線価マップに表示されています。
A評価が90%で以下G評価の30%まで順に下がっていきますが、一般的にはD評価の60%が多いようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか現在の持ち家の価値がいくらぐらいなのかはこの数値と不動産会社の査定を出せばかなり詳細に把握できます。(オススメの不動産一括査定サイト)
そのうえで賃貸として活用するのか、売却してしまうのかの判断をすれば良いのではないでしょうか。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
[…] 自分の持ち家の評価を確認してみてはいかがでしょうか(関連ページ:不動産の評価法の1つ 積算法を詳しく解説)。 […]