持ち家の売る準備
こんにちは!マサユキです。持ち家を売却する事を決めたら、当然ながら少しでも高い値段で売却したいですよね?不動産は金額が大きい取引であるだけに、ちょっとした違いや誤解などから売買価格に数百万円もの差がつくことも珍しくありません。

まったく知識を持たずに不動産会社に売却の相談にいくと、かなりの確率で市況よりも安い価格で売却する事になると思います。

ここでは少しでも高く売るための知識や交渉のテクニックをご紹介したいと思います。

準備1 残置物はダメ絶対

持ち家の売却(賃貸も同様)で揉める時に一番多くみられるケースがこの残置物の存在です。ひどいものの中には住んでいたままの状態がほとんど残された状態の家を見ることがあります。

残置物だらけの部屋

↑この部屋は私が過去に実際に見た空き家の状況です。残置物だらけ!

残置物は売却の際にかならず指値(値引き交渉)の対象となります。

私の友人のケースですが、残置物が多すぎて、売買価格がマイナスになったケースがあります。すなわちただで土地家屋を渡して、残置物処理費を頂戴したというケースです。

持ち家は対応を誤るとマイナスの資産になってしまう時代になりました。

話を戻しますが持ち家を離れる場合、特に介護施設に入るようなケースだと、冷蔵庫などの家電製品やベッドなどの大型家具が不要になるため、そのまま残しておくという事になりがちです。

またいったん残置物を残して空き家にしてしまうとそのまま相続となり、相続人が残置物の処理費を出し渋ったために、いつまでも売れずに空き家のままで廃墟化してしまう危険性もあります。

今までの思い入れや愛着からなかなか捨てられないという事もあるかもしれません。

気持ちはわかるのですが、売却する場合は基本的に残置物はすべて撤去しておく必要があり、賃貸する場合でもエアコンや照明(現代的なものに限る)など以外の残置物はやはり撤去する必要があります。

まだ使えそうな家電などは、ジモティなどの地域サイトやオークションサイトで安く売ってしまいましょう。

使い物にならないものは専門業者にまとめて引き取ってもらえば手間もかかりませんので良いと思います。

とにかく何も残さないようにする事が大事です。庭の犬小屋なども撤去しておきたいものです。

準備2 清潔に保つ

物件を買う人は当然事前に内見をします。この時にきれいな状態を保っていることは当然ながら好印象となり購入意欲が増します。

過度にピッカピカにしておく必要まではありませんし、フローリングの張り替えなどそれなりにお金のかかる修繕を入れる必要もありません。ポイントは清潔感があるかどうかです。そのレベルは維持しましょう。

自分で清掃することが難しい場合はプロのハウスクリーニングを入れると良いと思います。

準備3 書類一式を揃えましょう

不動産を売却する時には少なくとも以下の書類が必要になりますので、あらかじめ準備しておきましょう。これら以外の書類でも買主の要求などで必要となる書類がある場合があります。

・登記簿謄本(登記事項証明書)
・登記済権利証・登記識別情報
・建築確認済証・検査済証
・固定資産税納税通知書・課税明細書
・不動産取得時の契約書・重要事項説明書
・ローン残高証明書
・本人確認書類
・実印・印鑑登録証明書
・付帯設備および物件状況確認書
順に説明しますね。

登記簿謄本(登記事項証明書)

地元の法務局で発行してもらえます。

登記済権利証・登記識別情報

持ち家を購入した時に入手しているはずですが、紛失している場合は不動産会社に相談しましょう。

登記識別情報

登記識別情報は、昔のものはこのような書式ではないようです。これは平成29年のものです。

建築確認済証・検査済証

こちらも持ち家を購入した時に入手しているはずですが、紛失している場合は役所に問い合わせましょう。これは再発行できない書類ですが、以前に発行したという証明書は入手できます。

固定資産税納税通知書・課税明細書

毎年4月ごろに税務局から送付されてきていると思います。紛失している場合は、役所で「固定資産評価証明書」及び「固定資産公課証明書」を発行してもらう事で代用可能です。

不動産取得時の契約書・重要事項説明書

持ち家を購入した際に締結した書類です。紛失している場合は不動産会社に相談しましょう。

ローン残高証明書

持ち家のローンが残っている場合のみ必要です。銀行から送付されてくる返済計画書でも代用可能です。

本人確認書類

運転免許証やパスポートなど顔写真付き証明書を用意しましょう。

実印・印鑑登録証明書

役所で登録及び発行ができます。

付帯設備および物件状況確認書

不動産会社と仲介契約をしていれば、彼らに作成してもらう事が可能ですが、持ち家の状況は特に悪い情報ほど隠さずにしっかりと伝えましょう(そうしないと後でとんでもない事になる可能性があります)。

これらの書類は売却時には絶対に必要になりますし、査定の際には必要となるもの(固定資産税納税通知書など)もありますから事前に準備していきましょう。

また不動産会社を訪問して相談する時もこれらを持っていくと「あっこのお客はやる気があってしかもデキル人なんだな」と思ってもらえて対応が良くなる可能性が高まります。

知識1 売買形態を考慮する

持ち家を売却するパターンとして以下の3つが考えられます。

個人間の売買

自分で購入者を見つけてきて売買する方法です。もしうまく高い値段で購入してくれる人を見つけることが出来れば、もっとも高く売れる可能性があり、仲介手数料が不要になり諸経費も安く抑えることが出来ます。

但し言うまでもありませんが、難易度はとてつもなく高いです。みんなこれが出来れば不動産会社は要りませんから。

またもし運よく購入希望者を見つける事が出来ても、不動産はその売買金額が高額であるために双方の主張が食い違い、トラブルが発生することが多く最悪なケースだと裁判にまで発展してしまう事もあります。

売買契約書や重要事項説明書なども自分で作成する必要があり、不動産取引に関する豊かな知識と経験があるなら良いですが、持ち家を初めて売るというような方にはこの方法はまったくお勧めできません。

不動産会社による買い取り

不動産会社に持ち家を買い取ってもらうというケースです。

このやり方のメリットは、短期間で楽に取引が完了するという事です。仲介ではないので、仲介手数料が発生しないのもメリットです。

但しこの場合の買取り価格は実勢売買価格より20%~40%程度安くなります。

仲介手数料がないという程度のメリットはあっさり吹き飛ぶほどの安値となります。

考えてみれば当たり前ですが、持ち家を買い取った不動産業者はそれを今度はエンドユーザーに売却します。その売却価格と買取価格の差が不動産会社の利益になるのですから、当然利ザヤを取られます。

さらに不動産会社としては買取りしたのは良いものの売れなかった場合は在庫を抱える事なります。不動産は高額なので在庫としてだぶつくと金利の支払いなどの経費も大きくなってしまいます。

それらのリスクに対するヘッジとしても不動産会社はそれなりに買い叩く必要がある訳ですね。

仲介を介した売買

もっとも一般的な売買形態として、不動産会社を仲介として一般の買主に買ってもらう方法です。

こちらが希望する売買価格を不動産会社に伝えるとその金額で買主を探してきてくれます。

満額で買うという人が見つかれば良いですが、指値(値引き)を入れてくることもあります。いずれにせよ、この価格なら売っても良いかなという買主が現れれば、契約して売買となります。

仲介の形態には3種類ありますので、それはまた別の機会に説明します。

このケースでは不動産会社はあくまで仲介をするだけなので、彼らはお金を出すという事は基本的にありません。

売れなくても不動産会社は別に困らない(仲介手数料がもらえない、評判が悪くなるなどの問題はありますが)し、売れれば仲介手数料がもらえるという形態ですね。

なお仲介手数料は、実際の不動産売買価格によって異なり、以下のような金額となっています。

0~200万円:5%(+消費税)

200~400万円:4%+2万円(+消費税)

400万円以上:3%+6万円(+消費税)

ちなみにこの仲介手数料は最大金額というものであり、これ以上の手数料を取ってはならないと決められている金額です。

ですので交渉次第では仲介手数料を安くする事も出来るのですが、当然ながら不動産会社のやる気が著しく低下するのでお勧めしません。

上記の金額の仲介手数料がかかると認識して収支を計算しておくことをお勧めします。

このケースでは不動産会社は仲介手数料を取る訳ですから、それに見合った仕事をしてもらえます(当然ですね)。

具体的には、

・買い手を探してくる。
・売買契約や重要事項説明書を作成し、説明してくれる。
・公図などに問題があった場合に、測量などの手配(もしくは買い手と測量不要の交渉)。
・費用負担に関する買主負担とするのか売主(こちら)負担とするのかの交渉
・司法書士の紹介
・決済の明細計算や会場の手配

などのサービスをしてくれるのが一般的です。

知識2 こんな不動産会社は避けよう

仲介により不動産を売却するためには、不動産会社と媒介契約を結ぶ必要があります。媒介契約には3つの形態があり、それは別ページで紹介するとして、次のような不動産会社とは契約しない方が良いというものをご紹介します。

相場よりもやたら高い価格を提示してくる。

不動産会社としてはあなたの持ち家の売買仲介を自社で囲い込みたいと考えます。そのために専属専任媒介を勝ち取りたいと考え、出来もしない高い価格査定をしてくる事があります。

その金額につられて契約してもまったく買い手が現れず「やはり値下げしましょう」などと言われてしまう事になります。

いたずらに時間だけが無駄になりますので、一括査定サイトなどで事前に調べた相場からあまりにも外れた価格を勧めてくるような業者はやめておいた方が良いでしょう。

別のページでも書いていますが、査定価格と売買価格はイコールではない事をしっかりと認識しておいてください。

やたら買取りを持ちかけてくる

これは資金が豊富な大手不動産会社に多いケースです。

買取りは買い手が一般のエンドユーザーではないため、煩わしい交渉事や融資の不調による白紙撤回などのリスクがなく、短期間で楽に売却を終えることが出来るというメリットはあります。

しかし買取りの場合の一般的な売買価格は本来の取引価格から20~40%安くなることが一般的です。

不動産会社は持ち家を買い取ったあとで一般のエンドユーザーを探して売却しその差額を利益としますので、当然高くは買い取ってくれません。

「急いで売却したい」などと駆け込むと足元を見らえて安く買い取りされるというケースがありますので、注意が必要です。

持ち家を買い叩こうとする営業

「じっくりと待てますので希望価格で買ってくれる人を探してください」というぐらいの余裕がほしいところです。

ちょっとした専門的な質問であたふたされる。

不動産会社を訪れる時は、このサイトをよく読んで事前に質問を用意しておき、対応した担当者に聞いてみましょう。

その時によどみなく答えてくれれば良いのですが、「ちょっと確認してきます」などといきなり席を外すような担当者だと注意が必要かもしれません。

というのも不動産業界は結構ブラックな部分が残っている業界で、転職が非常に多い業界でもあります。

「不動産会社の担当者なのだから、当然不動産取引のプロフェッショナルだろう」と思ってしまいがちですが、中には素人同然のまま営業に対応している会社が大手でも十分に考えられるのです。

そのような担当にあたるといつまでの買主が見つからなかったり、交渉事で不利な内容を飲まされたり、対応も稚拙なのでイライラさせられることもあります。

担当を変えてくれとはなかなか言いづらいものなので、そのような会社は縁がなかったと違う会社に行く方がよいかもしれません。

知識3  繁忙期を考慮しよう

不動産がよく動く時期は決まっています。不動産の取引が最も活発なのは1月~3月です。特に3月は転勤や卒業~就職といった生活環境が大きく変わるイベントを控えている時期なので、それに伴い住居を変えるという人が非常に多くなります。

必然的にこの時期の不動産は高く売却できる可能性が高まります。

なぜなら急な転勤などがあった場合に急いで次の住居を探しているというような人もいるので、そのような人は値切り交渉などせずにすぐに売買できる状況の不動産に飛びつくという事があるからです。

しっかりと準備してこの時期を待っていれば、高く買ってくれる人が現れるかもしれません。

また6月は新婚需要があります。あなたの持ち家が比較的新しいのであれば、この需要に対応できるかもしれません。

新婚需要は6月と10月に多くなります。

逆にほとんど動きがないのは7~8月の夏季です。とても暑いこの時期に新しい家を購入しようと考える人は少ないです。

また年の瀬で忙しい12月も同様に不動産の売買は少ない閑散期となります。

ですので、売却しようと決めて不動産会社と媒介契約を締結したのが6月だとすると、すぐに7月の閑散期がやってくるので、2か月ぐらい何も問い合わせがないと不安になるかもしれませんが、そういう時期であることを認識しておけば問題ないと思います。

いかがでしょうか。総じて大事なことは、準備をしっかりして時間的に余裕をもって売買活動にあたるという事です。短期間で何とかしようとするとどうしても安いオファーに流されてしまい、あとで後悔するような価格で売買するという事になってしまうかもしれません。

是非しっかりと準備をしてじっくり取り組んでいただければと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。